(個人事業から会社設立を検討している方向けの記事をシリーズにしています)
【個人事業から会社設立を検討している方向け】①会社にするってどういうことだろう?
【個人事業から会社設立を検討している方向け】②会社設立の目的を考える~よくある3つの目的と、会社の形を決めるもう一つの大切な視点。
【個人事業から会社設立を検討している方向け】③会社と法人、どちらを選ぶ?
これまでの記事で、会社にするということと、会社設立の目的を考えてきました。
「会社といっても、株式会社、合同会社、有限会社?どれにしたらいいのかな」
「一般社団法人っていうのも聞いたことあるけど」
「自分のビジネスには何が合っているのだろう?」
「NPOだと税金が優遇されるらしい」
「会社設立を検討している方向け」と言いながら、事業内容によっては株式会社にするか、一般社団法人にするかなど、会社と法人で迷う方もおられます。
公益目的で、行政に認められた事業は税金の優遇があります。
また、「法人」は公益的なイメージがあるため、信頼を得るためのツールにもなりえます。
事業の性格によっては会社か法人で迷うケースがあるのです。
そこで、法人についても少し説明しますね。
会社と法人の違いは?何を基準に選べばいいの?
「株式会社ならみんな知ってるし、安心だよね」
「合同会社ってあまり聞いたことないけど、大丈夫かな?」
「社団法人も営利目的の事業できるらしいけど、会社より公共のイメージがあるから信用されそう」
という「なんとなくのイメージ」で決めようとしていませんか?
それぞれの会社や法人は、事業スタイルに適したものにすべきです。
「どんな事業をしたいのか」を軸に形態を選びましょう。
そうすると自然と選択肢は絞られてきます。
複数の選択肢が残ったら、そこで手続きやコストのメリットデメリットを比較すればいいのです。
ここから設立パターンの多い会社・法人について紹介しますね。
(なお、わかりやすさを優先するため説明を一部簡略化しております。
厳密に考えれば違った表現も含まれますが、ご容赦ください。)
利益を分配できる「会社」とそれができない「法人」
「会社」と「法人」、具体的にはこんな種類があります。
「会社」は株式会社、合同会社など、「会社」とつくもの。
「法人」は一般社団法人、NPO法人、医療法人、社会福祉法人など、「法人」とつくもの。
この違いは、
「会社」⇒ 利益を分配できる
「法人」⇒ 利益を分配できない
どういうことかというと、「会社」が利益を出したら、それを出資者(=会社にお金を出した人)にその利益分を支払えます。
株式会社でいう、株主への配当です。
ところが「法人」が利益を出しても、その構成員である社員に支払うことはできません。
この社員というのは従業員のことではなく、「法人を立ち上げた人」とお考えください。
ですので役員報酬や従業員のお給料は、会社の利益から支払うのではなく、経費にあたります。
売り上げから役員報酬などを含めた経費を差し引いた「利益」の使い道が、「会社」は自由で、「法人」は制限されていると考えてください。
ちなみに公益的なイメージから勘違いしやすいのですが、「法人」が利益を出すこと自体は問題ありません。
営利目的の事業をすることもできます。
「法人」の役員が役員報酬を受け取ることも問題ありません。
会社は利益を配当してもいいし、備えとして内部留保してもいい。
けれど法人は利益を社員に配当することはできません。
利益の使い道が限られています。
「会社」か「法人」か
(ただし、法人の種類によっては助成金があったり特別なルールが適用される場合がありますので、具体的な事案はご相談ください。)
個人事業から会社設立を検討している方向けシリーズ
【個人事業から会社設立を検討している方向け】①会社にするってどういうことだろう?
【個人事業から会社設立を検討している方向け】②会社設立の目的を考える~よくある3つの目的と、会社の形を決めるもう一つの大切な視点。
【個人事業から会社設立を検討している方向け】③会社と法人、どちらを選ぶ?
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