恵事務所の前、豊川で中央通り登記事務所を開設したのが2010年の1月でした。
そのときにもスローガンを作り、事務所移転をする今年の2月まで、名刺に記載していました。
「紛争予防をサポートします」
司法書士はトラブルになったあとよりも、
平時にお客様と接することが多い仕事です。
たとえば新築時。
おじいさんの土地に孫がお家を建てたようなケースでは、
おじいさんの相続の心配があります。
だけどお家を建てたおめでたい時に、お客様がそのリスクに気づくことは少ないでしょう。
また、会社の設立時。
他人と一緒に出資するのに、株の割合を50パーセントずつにすること。
万が一意見が割れた時に会社の決め事ができないので、私なら避けるように言います。
身内ではない人と一緒に役員になるとき、任期を10年にするのは避けた方がいいとお伝えします。
同じく会社の役員変更登記の時。
株主名簿を必ず目にするので、
ほとんどの株式を保有している社長が亡くなったり、認知症になるとどうなるか。
それから遺言をつくるとき。
財産を譲りたい相手が先に亡くなったケースを想定したり。
100パーセントではないけれど、起こりうるトラブルを想定してお伝えできる機会が多いと感じています。
だから、私にできることとして、
「紛争予防をサポートします」
と掲げていました。
仕事の姿勢はいつもそうだったけれど、
なかなか具体的な仕事に繋げることができなかったというのが正直なところ。
そこで、事務所移転の際に名刺やロゴを一新するときに、
もう少し具体的なメッセージがほしいなと考えて生まれたのが、
「心で話せる、想いをつなぐ。」
依頼者の方の想いをきちんと聴き、本当の想いをかなえるお手伝いがしたいという気持ちから生まれたスローガンですが、
これがきちんとできると、想定されるトラブルを防ぐことにつながると考えています。
トラブルを未然に防ぐためには、私自身が、依頼者の方から本音を引き出して、
「本当はどうしたいのか」
を理解しなければいけない。
また、私が当事者の方の本音をきちんと引き出すことで、気持ちの行き違いを整理することができる。
人の想いは、人の言葉でしか伝えられないから。
だけど、当事者同士だと感情的になってうまく言葉を選べなかったり、
言い合うのが嫌で話し合いを避けてしまったり。
だけど、本当は誰もいがみ合いたくないし、揉めたくない。
少しだけ整理をすると、気持ちよく事が運ぶことがありますし、
第三者であり、司法書士の知識と経験を前提に話せる私だから聴けることがある。
今はそんな新たな気持ちで、お客様や取引先の方と接するようにしています。
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