2022年4月1日、今の高校3年生は19歳で成年になる!?
ご存知でしたでしょうか?
民法改正により成年年齢が引き下げとなり、2022年4月1日から18歳で成年になるんです。
成年になったらお酒とたばこ!ギャンブルもできる!
と思った方…ごめんなさい。
それは20歳まで我慢してくださいね^^
じゃあ成年になったら何が変わるの?
と思う方は多いと思います。
今すでに20歳以上の方も、20歳になってお酒とたばこ以外に変わったことなんて、特に意識してなかったのではないでしょうか。
私もその一人でした。
20歳の頃は大学生でしたが、本当に何も知らなかったです(法学部なのに)!
だけど実は、とっても大きな変化があるんです。
成年になると、どんな契約も一人でできる!
「契約」というと、カチッとした書類にサインと印鑑を押すもの、というイメージを持たれるかもしれません。
でも私たちは、日常的に契約をしています。
コンビニでお弁当を買う。
電車やバスに乗る。
友達と日帰り旅行に行く。
スマホのゲームの課金をする。
これらはすべて、契約です。
中学生や高校生も一人でしています。
では、これはどうでしょうか?
車を買う。
スマホを買う。
エステに通う。
クレジットカードを作る。
ローンを組む(お金を借りる)。
未成年の場合、保護者の同意が必要な契約です。
成年になると、こういった契約もすべて「一人で」できるようになります。
だけど、学校で「契約」の話なんて教えてもらいません。
どんなトラブルが考えられるのか、もし自分が当事者になったらどうしたらいいか、なんて誰も教えてくれません。
どんな人でも、成年年齢になったというだけで、社会的には大人として扱われます。
働いていなくても、学生でも、社会のルールは知らなくても、責任感があってもなくても、いつまでも子供でいたいと思っていても(笑)、その時がくれば一人前の大人(成年)です。
契約をすると、義務が発生します。
例えば車を買う契約をすれば、車屋さんは車を引き渡す、購入者は代金を支払う、というように。
契約をした後、家に帰って冷静に考えて、「やっぱりほかの車が良くなっちゃったから、さっきの契約やーめた!」ということはできません(車屋さんに落ち度がある場合は除きます)。
未成年のうちは保護者の方が判断していたことを、成年になったとたん、自分で判断して決めることになるのですね。
未成年は契約のルールも、社会のルールもよく知らない。
だれも教えてくれないし、契約の経験ももちろんありません。
成年になるとトラブルが倍増!
消費者庁が出している、令和2年版消費者白書に若者の商品・サービス別上位相談件数(2019年)のデータがあります。
これをグラフにしてみました↓
15-19歳と、20-24歳の相談件数を比較すると、約2、4倍に増えています。
これは成年年齢になり、一人で契約ができるようになったことで、
「契約したけど思っていたのと違った」
「こんなはずじゃなかった」
ということが増えたからではないでしょうか。
渥美農業高校3年生を対象にお話をしてきました!
先日、田原市の渥美農業高校3年生を対象に、
「大人になるみなさんへ 消費者トラブルと対処法を知ろう」
というテーマでお話をさせていただきました。
もうすぐ高校を卒業する3年生。
進学の子も、就職の子も、これまでとは違う社会に入ることになります。
一人暮らしをする子もいるでしょう。
親御さんの目も気にせず、自由になれる。
好きなことができる。
きっと楽しいことがたくさんある。
ワクワクする気持ち、とても良く分かります!
そして、今の高校3年生は、来年4月から成年になります。
「その時」に実感はないとは思いますが、成年になるとどんな契約も一人でできます。
どんな仕事をするか
どんな車を買うか
車のローンを組むか
お家を借りるのか、建てるのか
どんなお家にするのか
どんな保険に入るのか、入らないのか
こういったことを自分で考え、判断し、選択していくことになります。
すべてを知らなくてもいいけれど、まったく知らないままでは怖い。興味を持てることから知ろう!
自分で考え判断し、選択をするには、まず知ることが第一歩です。
社会のルールについて。
契約内容について。
どんなトラブルが想定されるか。
契約のことや社会のルールを知らなくても、すぐに困ることはないかもしれません。
だけど一人で契約するとはどういうことか、迷ったり困ったりしたらどうすればいいのか。
少しでも知ってもらえると、新生活をもっと楽しめるのではないでしょうか^^
失敗はつきもの。次につなげよう。
どんなに知識を詰め込んでも、トラブルに合わない保証はどこにもありません。
何歳になっても、失敗は起こりえますし、私たちを取り巻く環境は日々変わっています。
私たちのような司法書士だって、思わぬトラブルに巻き込まれることもあるでしょう。
自分で選択した結果が、失敗やトラブルにつながったとしても、
「解決するにはどうすればよいか?」
「次に同じ失敗をしないようにしよう」
と自分の経験にして次に生かしてほしいと思います。
困ったら一人で悩まなない!
でも、困ったら一人で抱え込まないで。
大人になるということは、自分の選択に責任を持つということでもあります。
ただそれは、一人でなんでも解決しなきゃいけないということではありません。
何歳になっても、失敗したり間違ったりすることは、恥ずかしいことではありません。
周囲の大人や、下記のような適切な機関に相談してくださいね!
法テラス ▶ 0570-074374
消費者ホットライン ▶ 188(局番なし、全国共通)
全国司法書士会 ▶ 連絡先一覧はこちら
※高校生への出張講座は、愛知県司法書士会が法教育事業の一環として愛知県から要請を受け行っているものです。
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